体験記:近藤カノン

「Comfort Zone を乗り越えた」

カナダで高校生をする!と決めて日本を飛び出してからもう2年。
留学終了を目前にした今だからこそ、あっという間だったなあと感じるけど、
大好きなと家族、友達がいる母国から離れて過ごす留学生としてのカナダ高校生活は本当にいろんなことがあった。

2年前の自分と今の自分を比較すると外見から内面まできっといろんな部分で変化はあるんだろうけど、その中でも一番成長したなと思うのは間違いなくメンタルの強さだと思う。

最初の一年、特に現地校に通い始めてから
3〜6ヶ月くらいの間は死ぬほど辛い日々が何日もあった。
出国当初はもちろん不安はあったもののそれよりも楽しみの方が強くて、
この先の2年間にたくさんの期待と希望を抱いて笑顔で日本を離れた。

過去に何回か海外経験があり、なんとなくイメージが掴めていたから、
まあなんとかなるやろくらいの気持ち。
もちろん間違いなくしんどくなるのはわかっていたけど、
めちゃくちゃ覚悟決めてやる気に満ち溢れてた。

それなのにいざ現地の学校に通い始めると、
思うようにいかないことが多くて、特に言語の壁が予想以上に高かった。
一対一の会話はある程度成り立っても、少数のグループに入った瞬間、会話のスピードが速すぎてついていけなかった。
もちろん授業は全く理解できなくて授業終わりの個別の質問タイムが恒例だった。

リアルな英語についていくために常に頭はフル回転で帰り道はその日一日を振り返っての反省。
あの時、ああすればよかったなとか明日はこれをやってみようとか。
それでも毎日がチャレンジと新しい発見で、現地の人と関わることで新しい英語のフレーズはもちろん、自分の知らなかった価値観までいろんなことを吸収できたのはしんどいなりに楽しかった。
でもそのしんどさが楽しいと感じれるのにも限界があって、
なかなか友達との距離感を掴めなかったり、
変なプライドが勝って急に現地の人と差がありすぎる英語を発するのが
怖くなったり、、、
一つの課題が解決されないまま訪れる新たな課題、また新たな課題、で最終的には容量オーバー。
心に余裕がなくなっていった。

特に自分はちょっと短期で留学来てみましたーじゃなくてガッツリカナダの高校生としてカナダの高校を卒業することが決まっていたから、
あまりにも伸びない英語力、学校での居心地の悪さが
このまま本当にカナダで高校生やっていけるのかって先のことを考えれば考えるほど不安に押しつぶされた。
日本から持ってきた「やる気」ってのが急に「焦り」に変わっていった。
結局、それが悪循環で、口数が減り最終的には学校に行くことすら怖くなっていった。

それでもなぜかカナダで2年過ごすという決断に後悔したことはなかった。
家族や友達が恋しくても帰りたいとは思わなかった。
多分、日本で固めてきた覚悟がまだ土台として残っていたからだと思う。
留学がそんなに簡単じゃないことくらい十分理解した上で何度も悩んで来たカナダ、何も成し遂げてない中で弱気になっている自分に負けたくなかった。
せっかく日本で応援してくれている親、友達、過去の留学を決めた自分にもガッカリさせたくなかった。
そもそも壁、ましてや言語の壁なんて留学する人なら
当たり前に誰でもぶつかること。
大事なのはその壁とどう向き合うか。

むしろ「今自分がどう動き出すか問われている状況こそ留学にきた一つの理由」
だったんじゃないのかと気づいた。
日本にいた時の私は常に心を許せる家族、友達に囲まれて居心地の良い場所にいた。
学校は忙しかったけど、特別辛いこともなく毎日同じことの繰り返しで、
それでも幸せに楽しく過ごしていた。
でも、
ろくに外の世界も知らずに自分が居心地がいいと感じる場所だけにとどまり続けるのは何か違うと感じ始め、無知で経験も少ない自分はもっと冒険するべきだと思った。
大好きな友達とただ楽しいを追いかける毎日、充実はしていたものの特に何かを得れてるわけではなくもっと何か自分が大きく成長できるきっかけが欲しかった。

ひとりで海外に出ることで、あえて自分を経験したことない、
知り合いもいない環境におき、どこまで自分が戦えるのか試したかった。
今まで安定したコミュニティーにとどまっていた自分にとって一歩 comfort zone から踏み出すのは勇気がいったが間違いなく必要な一歩だと思った。

留学に来る前からこのような思いがあったため、
「一度どん底に落ちた今こそが自分が求めいた、成長につながるタイミング」
なのではと気づいた。

その瞬間、一気にやる気が蘇り、また新たに頑張ろうと思えた。
物事に対して前向きになり、学校の友達ともひたすら積極的に話すようになった。何かうまくいかないことがあってもすぐ切り替え、大丈夫、
次は大丈夫と自分に言い聞かせた。

あとは今までずっと足を引っ張ってきた大きな原因、プライドを捨てた。
わからないことはわからないと認め、
自分の弱さをはっきり見せることで強さに変えていった。
そしてとにかく笑顔!そうやっていくうちにだんだん物事がスムーズに進み、
心を許せる友達も増えて、堂々と学校生活を送れるようになった。

嫌でも自分でなんとかしないといけない、誰かが助けてくれるわけでもない、
でもだからと言って後ろを向くことはできない、
自分で立ち上がらないといけない、
そんな環境の中で、自分でどうすればいいか考えて考えて、
失敗してもまた違うやり方で挑戦する、
落ち込んでいる暇があったら、じゃあ何がいけなかったのかまた考える、
あくまでも前向きに、その繰り返しで様々な壁を自力で乗り越えてこれた今、
間違いなく強くなったと思う。
今後多少の困難に襲われても立ち向かっていける自信がついた。

この2年間で学んだこと、気づいたこと、経験したことは間違いなく日本に一生感じることができないものだった。
しんどかったこともたくさん泣いたことも逆にめちゃくちゃ楽しかったことも嬉しかったことも含めて、全部自分にとって経験すべき価値のあるものだったと声を大にして言える。

そう簡単に実現できるわけじゃないカナダ2年留学、
ここまで信じて支え応援し続けてくれた日本にいる両親、尚子さんには感謝してもしきれないです。
貴重な経験を与えてくれて本当にありがとうございました。